毎月ヘムスロイドハウスでは、「日本映画の中の女性像を考える」というテーマで
上野昂志氏の映画セミナーを開催しています。

講師  上野昂志(映画評論家
上野昂志(映画評論家

映画は、さまざまの女性像を描いてきました。それが作家や時代、演ずる女優によって、どのような姿を見せるか探っていきます。
講座では、映画を見た上で、ディスカッションを交えてお話しを進めていきます。

 

今回は、イルバ・サロンとして公開します。
大学や映画館とはひと味違う、アットホームにワイン片手に観て語る、ちょっと贅沢な素敵な会。
きっと、映画の向こうに広がる物語に、日本の今昔や色褪せない人情模様がみえて、
貴方の日常に意外な発見をもたらせてくれることでしょう。
この機会に是非、お気軽に参加してみて下さい!

 

ヤマナシヘムスロイド2月の映画講座ご案内

『夫婦善哉』     1955年公開 東宝映画

夫婦善哉

監督:豊田四郎 原作:織田作之助 脚本:八住利雄 撮影:三浦光雄 美術:伊藤熹朔  音楽:団伊玖磨
出演:森繁久彌、淡島千景、司葉子、三好栄子、浪花千栄子、田中春男、山茶花究

原作は、織田作之助が、昭和15年に同人誌に発表した処女作であると同時に、彼の出世作となった。
曾根崎・北新地の売れっ子芸者、蝶子(淡島)は、化粧品問屋の妻子ある若旦那の柳吉(森繁)に惚れて、二人は駆け落ちする。
柳吉は、父親から勘当されるが、二人は、黒門市場に所帯を持つ。そこから、甘えん坊で遊び人の柳吉を支えようと、蝶子は奮闘するが・・。
監督は、数々の文芸作品を映画化した豊田四郎(『雁』、『猫と庄造と二人のをんな』等)だが、
本作で、『キネマ旬報』年間ベストテンで、『浮雲』に次ぐ第2位となる。
だが、特筆すべきは、この愚かしくも愛すべき夫婦を演じるのに、森繁久彌と淡島千景という俳優を得たことである。
彼らはともに、ブルーリボン主演男優賞と主演女優賞を受賞したが、まさに、この二人なくしては、この映画はなかったといっても、過言ではないだろう。
なお、本作の要となる法善寺横町には、「行き暮れてここが思案の善哉かな」という織田作の句碑がある。

 

上野昂志プロフィール

66年、東京都立大学大学院在籍中(専攻は魯迅)、漫画雑誌「ガロ」に「目安箱」という社会時評的なコラムを連載したことから、評論家として執筆活動に入る。深い洞察と鋭く柔軟な批評精神には定評があり、映画、文学、写真、美術、漫画、音楽など、多岐にわたって健筆を振っている。
著作には、『沈黙の弾機』(青林堂)、『現代文化の境界線』(冬樹社)、『映画=反英雄たちの夢』(話の特集)、『鈴木清順全映画』(編著/立風書房)、『肉体の時代―体験的60年代文化論』(現代書館)、『戦後再考』(朝日新聞社)、『映画全文』(リトル・モア)、『写真家 東松照明』(青土社)などがある。


 

参加お申し込み・お問い合わせはこちらまで

●お電話で
TEL.03-3470-3119(ヤマナシヘムスロイド事務局)までお電話でお申し込みください。(事務所の営業時間は月曜から土曜の11時から17時までです。)

●FAXで
FAX.03-3470-2669 までお申し込みください。 FAXでお申し込みの際は、受講を希望される講座名、お名前、連絡先電話番号、FAX番号を忘れずご記入ください。

●メールで
yhi.tokyo@gmail.com までお申し込みください。お名前、メールアドレス、受講を希望される講座名をご記入ください。